―旅立ちの時―
桜が見える 月が見える
呼吸も忘れ それだけを見ている
沈む感覚もなく 浮く感覚もない
聴こえるのは 規則正しく鳴る奇妙な音
水面に落ちる 桜の花びらの音
もはや泣き声さえ 聴こえない
落とされる暖かさも 一瞬のうちに消えていく
その視界が黒色に 染まったとしても
ただ不思議と 恐怖はない
眠るように 目を閉じて
深く深く 息を吸って
月明かり 照らすように
舞台に 幻想に
響け
「今、旅立ちの時!」